インターネットオークションで詐欺にあったかもしれない場合の対処 弁護士 岡本哲 質問 わたしはインターネットオークションで、個人の出品者から高価に骨董品を落札して代金を前払いで指定された銀行口座に振り込みました。振り込んでからもう3週間になるのに、いっこうに商品は届きません。出品者のプロフィールにかいてあった電話番号に電話をかけても通じません。電子メールを送っても返事がありません。わたしは泣き寝入りするしかないのでしょうか。 回答 インターネットオークション詐欺にあったようですね。もうすこし事情を詳しくきく必要はありますが、法的には出品者・オークションサイトの事業者に対して責任を追及することが考えられます。 インターネットオークション詐欺は、もう10年近く前になりますが、平成18年にインターネットオークション事業者の審査許可を得てオ-クション内ストアとして電化製品を出品していた業者が落札者に電化製品を送らないというかたちでの大規模・集団的事件がありました。いわゆる家電ドットコム事件として本職には記憶に残っています。このときは、オークション事業者が落札者の被害額を補填しました。  出品者は行方をくらましているので債務不履行責任(民法415条)、不法行為責任(民法709条)の責任を追及するにも困難です。出品者の住所氏名の特定が困難な場合があります。特定商取引法上の表示義務がある場合でも悪徳業者なら無視しますし、プロバイダ責任制限法4条や弁護士法23条の2照会についてもプロバイダが開示するとは限りません。出品者の責任を追及するのは経済的ではないということになります。  そこでオークションサイトの事業者の責任追及です。事業者自体は住所等も簡単にわかるのが通常です。  オークション利用規約に事業者は責任を負わない旨の定めがあったとしても消費者契約法の適用がある場合は無効です。通常、インターネットオークションでの落札者は個人ですから適用があります。  オークション事業者は、出品者・落札者間の契約それ自体には関与していません。オークション事業者の信頼において落札者が参加し、出品者・落札者が手数料をしはらっているのでオークション事業者が安全配慮義務を負うこと自体は定説といっていいでしょう。 経済産業省の電子商取引および情報財取り引きに関する準則も、一定の注意義務を認めることは可能、としています。平成27年現在は大手では補償制度があるところが通例ですが補償金額に限度があり、50万円を限度としていることがおおいようです。  50万円以上の被害があった場合は補償されない損害がでることになります。 オークションサイトの事業者を責任追及、事業者は保険でカバーということになりますが、悪人は結局高笑いした状態です。平成27年現在では、一矢報いる方法があるので、ここで終っては岡本法律事務所としては不満と思っています。